ハクビシンは、見かけによらずさまざまなリスクを伴う害獣として知られています。
特に、毛がないハクビシンの目撃情報が増えており、その危険性が懸念されています。
この記事では、毛がないハクビシンが危険な理由、避けるべき行動、そして自分でできる安全な対処方法について詳しく解説します。
毛がないハクビシンの正体とその危険性
毛がない原因:疥癬や病気
ハクビシンの毛が抜け落ちている原因は、主に**疥癬(かいせん)**という寄生虫が原因の皮膚病であることが考えられます。疥癬は、ハクビシンにとってだけでなく、人間やペットにも感染する恐れがあり、非常に危険です。特に毛のないハクビシンは免疫力が低下しており、その他の病気を引き起こしやすくなっています。
感染症のリスク
毛がないハクビシンは、以下のような感染症を媒介する可能性があります:
- レプトスピラ症:ネズミやその他の野生動物の排泄物を通じて感染する細菌感染症。重篤な場合、肝炎や腎不全を引き起こすことがあります。
- E型肝炎:動物の糞尿や汚染された食品を介して感染するウイルスで、急性肝炎を引き起こすことがあります。
- 皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう):皮膚に感染する真菌症で、特にペットや人間の肌に感染する可能性があります。
これらの感染症は、ハクビシンが持つ糞尿や体液、ノミ・ダニを介して広がることが知られています。特に毛がないハクビシンは衛生状態が悪く、他の動物や人に感染症を広めるリスクが高いです。
環境被害と火災リスク
ハクビシンは、建物の屋根裏や壁の中に侵入しやすく、その糞尿が蓄積すると天井の腐敗や悪臭の原因になります。また、配線をかじることでショートが起こり、最悪の場合は火災が発生することもあります。特に、毛が抜けたハクビシンは健康状態が悪く、外に出る機会が減少するため、建物内に長期間留まり被害が拡大する可能性があります。
やってはいけないこと
毛がないハクビシンを見かけたときに注意すべき点として、以下のような行動は絶対に避けるべきです。
1. 直接触れない
毛がないハクビシンは、感染症を持っている可能性が非常に高いため、絶対に触れないようにしましょう。傷つけられた場合、病原菌が傷口から侵入するリスクが高まります。また、ハクビシンの糞や尿にも病原菌が含まれているため、これらにも触れないことが重要です。万が一触れてしまった場合は、すぐに医師の診察を受けるべきです。
殺鼠剤や粘着シートを使わない
法律により、無許可でのハクビシンの捕獲や駆除は禁じられています(鳥獣保護管理法)。殺鼠剤や殺虫剤を使って駆除を試みることは違法行為となる可能性があり、罰金や処罰を受けるリスクがあります。また、粘着シートも効果的でないばかりか、ハクビシンが暴れて他の場所に粘着剤を撒き散らす可能性もあります。
3. むやみに追い払おうとしない
ハクビシンは通常おとなしい動物ですが、危険を感じると攻撃的になります。特に繁殖期や子どもを守っている場合は、気性が荒くなるため不用意に近づいて追い払おうとするのは危険です。噛まれたり、引っ掻かれたりすると深刻なケガを負う可能性があります。
自分でできるハクビシン対策
1. 餌となるものを排除する
ハクビシンは雑食性で、生ごみや果物、ペットフードなどを好んで食べます。家の周りにこれらの食料源を放置しないようにし、しっかりと管理することが重要です。特に、ゴミ箱はしっかりとふたをしておくことが必要です。庭に果物の木がある場合は、果実を保護するためのネットを張ることも効果的です。
2. 忌避剤の使用
ハクビシンは、唐辛子やニンニク、ハッカ油などの強いニオイを嫌います。これらの成分を含む忌避剤を使用することで、ハクビシンを家から遠ざけることができます。ただし、ハクビシンは匂いに慣れやすいため、定期的に違う忌避剤に切り替える必要があります。また、忌避剤は動物が屋内にいる状態で使用すると外に出られなくなり、かえって害を増やす場合があるため、注意が必要です。
3. 侵入口をふさぐ
ハクビシンは小さな隙間から家に侵入します。屋根裏や換気口、エアコンの導入口、排水パイプなど、侵入口となりそうな場所を確認し、しっかりとふさぎましょう。金網や板を使って頑丈に防ぎ、高所のスキマにも注意を払いましょう。また、ハクビシンを追い出した後に塞がなければ、家の中に閉じ込めてしまい、さらなる被害を引き起こす可能性があります。
プロに依頼する際のポイント
自分で対策を行うのが難しい場合や、すでにハクビシンが住み着いてしまっている場合は、専門業者に依頼するのが最も安全で確実です。プロに依頼する際に知っておくべきポイントは次の通りです。
1. 適切な手続きを経て捕獲・駆除
プロは適切な許可を取得し、法的に問題のない形でハクビシンを捕獲・駆除します。また、駆除だけでなく、清掃や消毒を行うことで、再発防止にも努めてくれます。
2. 迅速な対応とリスク回避
ハクビシンの駆除は専門知識や設備が必要です。プロは効果的な方法でハクビシンを追い出し、再侵入を防ぐための防護策を講じてくれるため、自分で対応するよりも迅速で確実です。