コウモリは冬眠するのか、冬眠時期や冬眠場所などについて詳しく解説していきます。
また、コウモリが冬眠する場合の対策方法や駆除をしていいのかなども合わせて紹介していきます。
コウモリは冬眠するのか?
コウモリは、冬季に餌となる昆虫がほとんどいなくなるため、エネルギー消費を抑えるために冬眠します。日本に多く生息している「アブラコウモリ」や「ユビナガコウモリ」は、冬の寒さに対応するため、冬眠という特殊な生存戦略を選びます。冬眠中のコウモリは、体温を極端に下げ、代謝も最低限に抑えて、限られた体内の脂肪を使いながら数か月間を過ごします。
冬眠する理由と生理的変化
コウモリが冬眠する主な理由は、寒さによる昆虫の減少です。昆虫を主食とするコウモリは、食料がほぼなくなる冬の時期を乗り切るため、エネルギー消費を極限まで抑える「休眠状態」に入ります。冬眠中のコウモリは仮死状態とも言えるほど、心拍数や呼吸数が大幅に減少し、体温も環境に近い温度まで低下します。
- 心拍数:通常時に比べて数十分の一に減少。
- 体温:通常の36度近くから、周囲の気温に合わせて数度にまで低下することもあります。
- 代謝:冬眠中は脂肪をエネルギー源とし、水分摂取もほぼ不要です。
これにより、数か月間ほとんど動かずに過ごすことができますが、一定の温度や湿度を保てる場所が必要です。
コウモリの冬眠時期
コウモリの冬眠時期は、主に11月から3月の間です。特に、11月から本格的に気温が下がると、コウモリは餌が不足するため、冬眠に入り始めます。この時期のコウモリは活動をほとんど行わず、冬眠場所でひっそりと過ごします。春先(3月~4月)に気温が上がると、再び活動を開始します。地域によっては、この時期が若干前後することがあります。
コウモリの冬眠場所と選ばれる理由
冬眠場所としてコウモリが選ぶのは、外敵に襲われず、寒さをある程度しのげる暗くて静かな場所です。コウモリは集団で冬眠することが多く、場所選びには特に慎重です。
自然環境の冬眠場所:
- 洞窟:温度と湿度が安定しているため、コウモリにとって最適な冬眠場所です。
- 木のウロや岩の割れ目:これらも自然環境の中で適した場所で、外敵の目を避けやすいです。
人工的な冬眠場所:
- 家屋の屋根裏:都市部では、アブラコウモリなどが屋根裏や壁の隙間に冬眠します。瓦の下や屋根裏は暖かく、外敵の侵入も少ないため、安全な場所として選ばれることが多いです。
- 空調機の配管周辺:暖かい空気が漏れるため、コウモリが冬眠するには適した場所となります。
冬眠中のコウモリへの注意点と対策方法
冬眠中のコウモリはほとんど動かないため、駆除や追い出し作業が難しくなります。冬眠中は体力を節約しているため、強い光や音などに対してもほとんど反応しません。駆除する場合は、忌避剤を使用することが推奨されていますが、冬眠中のコウモリには効果が低い場合が多く、無理に追い出そうとすると、家屋内で死骸が残り、それが腐敗して悪臭や害虫を引き寄せることになります。
冬眠中の駆除の難しさと法的な制約
コウモリは、日本の「鳥獣保護管理法」によって保護されており、無許可での捕獲や殺傷は禁止されています。特に冬眠中の駆除には注意が必要です。冬眠中のコウモリを追い出すことは可能ですが、適切に行わなければ法律に抵触する可能性があります。
冬眠中のコウモリ駆除を避けるべき理由:
- 動きが鈍いため、忌避剤が効きにくい。
- 無理に追い出すと、死骸が残ってしまい、悪臭や感染症の原因となる。
- コウモリの巣のある場所は高所であったり、隙間が狭いため、自力での作業は非常に困難です。
駆除を行う場合は、専門業者に依頼することが推奨されています。専門業者は法律を遵守したうえで、再発防止策を施すことが可能です。