アライグマによる狂犬病感染の危険性や、日本における狂犬病の現状、感染を防ぐための対策、万が一の対処法を詳しく解説していきます。
アライグマから身を守るためのポイントも紹介します。
アライグマで狂犬病にかかることは？
アライグマは、狂犬病の媒介動物として知られています。特に北アメリカでは、アライグマは狂犬病を保有する動物の一つであり、実際にアライグマに咬まれることで狂犬病に感染するケースが報告されています。
狂犬病は、動物の唾液を通じて人や他の動物に感染するウイルス性の疾患です。
感染すると、脳や神経系に重篤な影響を与え、発症後はほぼ100%の致死率を持つ非常に危険な病気です。
狂犬病ウイルスは、感染動物の咬み傷、引っかき傷、あるいは傷口や粘膜に唾液が接触することで体内に侵入します。
したがって、アライグマとの接触、特に噛まれたり引っかかれたりした場合には、狂犬病感染のリスクが高まります。
日本におけるアライグマと狂犬病の現状
日本では、狂犬病は1957年以降、野生や飼育されている動物からの感染は確認されていません。
しかし、アライグマは1970年代にペットとして輸入され、その後、野生化した個体が増加しています。
これにより、農作物や生態系に対する被害が深刻化しており、アライグマは「特定外来生物」に指定されています。
現時点で日本国内で野生のアライグマが狂犬病ウイルスを保有しているという報告はありません。
しかし、狂犬病は輸入された動物や海外から持ち込まれるリスクがゼロではないため、常に注意が必要です。アライグマを含む野生動物と接触する機会が多い場合、狂犬病予防接種の実施が推奨されます。
アライグマから身を守るための対策
アライグマによる狂犬病感染のリスクを避けるためには、以下のような対策を講じることが重要です。
- 野生のアライグマに近づかない
アライグマは可愛らしい見た目をしていますが、野生の個体は攻撃的になることがあります。特に、彼らが病気にかかっている可能性がある場合、触れることは絶対に避けましょう。 - 餌を与えない
アライグマに餌を与えることは、彼らを人間の生活圏に引き寄せる原因となります。特に家庭のゴミやペットフードなどを屋外に置きっぱなしにしないようにしましょう。 - アライグマの巣作りを防ぐ
家の敷地内や近くにアライグマが巣を作らないよう、ゴミ箱や倉庫などはしっかりと管理し、侵入を防ぐ対策を講じましょう。 - 狂犬病ワクチンを接種する
特にペットを飼っている場合、犬や猫には狂犬病の予防接種を定期的に行うことが必要です。また、野外で働く人やアライグマとの接触の可能性が高い人も、狂犬病ワクチンの接種を検討しましょう。
狂犬病感染が疑われる場合の対処法
アライグマに噛まれたり引っかかれたりした場合、狂犬病の感染が心配されることがあります。その際の対処法は次の通りです。
- すぐに傷口を洗う
できるだけ早く、石鹸と水で傷口を洗い流すことが最も効果的な初期対応です。傷口を15分以上洗浄し、ウイルスが体内に侵入するのを防ぎましょう。 - 医療機関に直ちに相談する
咬まれた場合、速やかに病院に行き、狂犬病の予防接種や抗ウイルス治療を受ける必要があります。狂犬病は発症前に治療を開始すれば、感染の進行を防ぐことができます。 - 地元の保健所に通報する
アライグマによる咬傷や狂犬病感染の疑いがある場合、地域の保健所に報告することも重要です。これにより、他の人への感染拡大を防ぐことができます。